同一労働同一賃金最高裁判決

同一労働同一賃金最高裁判決

有期社員と正社員との待遇格差(同一労働同一賃金)をめぐる一連の最高裁判決が 本年11月13日と15日に出されました。各判決の結論は以下の通りです。 ①大阪医科薬科大学事件…アルバイトへの賞与の不支給は不合理とは言えない(適法) ②東京メトロコマース事件…契約社員への退職金不支給は不合理とは言えない(適法) ③日本郵便事件…契約社員への扶養手当,年末年始勤務手当,夏期・冬期休暇,有休の病気休暇,祝日給不支給は不合理(違法)...
転職の際に重視すべき要素

転職の際に重視すべき要素

2020年9月28日の日経新聞によると新型コロナウイルスへの対応でテレワークなど働き方が変わり,働く女性の54.6%が「転職や副業,起業,学び直しを具体的に考えたり,行動したりした」と回答し,キャリア見直しに動いていたとのことです。  キャリア見直しで最も典型的なのが転職だと思いますが,鈴木祐氏著「科学的な適職」という本は(書店でよく積まれています),転職先を選ぶ際の視点を与えてくれる良書です。  この本によれば,「好きを仕事にする」,「給料の多さで選ぶ」,「業界や職種で選ぶ」というのは間違った考え方とのことです。...
会社に「あなたは労働者ではないから残業代は出ない」と言われたら?

会社に「あなたは労働者ではないから残業代は出ない」と言われたら?

残業代請求を行うと、会社側から「この人は労働者ではないから残業代は出ない」と反論されることがあります。 本人と会社との間の関係は、雇用契約ではなく、業務委託契約とか請負契約であると反論されるのです。 このように反論されたら、こちらは残業代請求をあきらめないといけないのでしょうか。 結論からいうと、そのようなことは全くなく、仮に肩書きや契約書の記載が業務委託や請負であっても 実態が労働者であれば、労働基準法は適用されるので、残業代請求は可能です。 では、どのような実態があれば、労働者に当たるのでしょうか。...
残業代請求と弁護士費用

残業代請求と弁護士費用

「残業代請求はぜひ行いたいけど、弁護士費用が心配だ。」  このようなご不安をお持ちの方は多いのではないかと思います。  弁護士に正式に依頼する際には弁護士費用が必要なのは確かに間違いありません。  ですが、当サイトは、このような心配をできる限り減らす取り組みをしておりますので、安心して頂きたいと思います。 以下では、その取り組みをご紹介したいと思います。 ① 相談をお聞きした際、会社への残業代請求が困難であると見込まれた場合には、その旨は率直にお話しし、ご依頼をお勧めしません。...
残業代を歩合給から差引く賃金体系を無効とした最高裁判決(国際自動車事件最高裁判決)

残業代を歩合給から差引く賃金体系を無効とした最高裁判決(国際自動車事件最高裁判決)

2020年3月30日、最高裁判所第一小法廷は、 「歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から 残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払により 労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたとはいえない」と判断しました(国際自動車最高裁判決)。 国際自動車とはタクシー会社ですが、同社では、形式上残業代を支払うことにはなっていましたが、 歩合給の計算の際に残業代と同額を差し引くこととされており、 賃金の総額では残業代があってもなくても同じ金額しか支払われず、...
テレワークでも残業代は発生する

テレワークでも残業代は発生する

現在、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、在宅でのテレワークを導入する企業が急速に増えています。 こうして、自宅にてテレワークを行った場合であっても、残業代は発生するのでしょうか。 結論から言えば、テレワークであっても残業代は発生します。 1日8時間以上または週40時間以上の労働を行った場合に残業代が発生するという大原則は、テレワークの場合にも当然に当てはまります。 ただし、テレワークの場合は、職場にてタイムカードを打刻するような通常の労働と比べると労働時間の立証が困難になりがち、という問題があります。...