2020年9月28日の日経新聞によると新型コロナウイルスへの対応でテレワークなど働き方が変わり,働く女性の54.6%が「転職や副業,起業,学び直しを具体的に考えたり,行動したりした」と回答し,キャリア見直しに動いていたとのことです。
 キャリア見直しで最も典型的なのが転職だと思いますが,鈴木祐氏著「科学的な適職」という本は(書店でよく積まれています),転職先を選ぶ際の視点を与えてくれる良書です。
 この本によれば,「好きを仕事にする」,「給料の多さで選ぶ」,「業界や職種で選ぶ」というのは間違った考え方とのことです。
「好きを仕事にする」
好きなことを仕事にした場合の方が現実とのギャップで落胆が大きい。
むしろ,その仕事にかけた時間の分だけその仕事にやりがいを感じるようになるので,最初は好きではない仕事でも,かけた時間の分だけそのうち好きになっていく。

「給料の多さで選ぶ」
一定の年収を超えると年収と幸福度は比例しなくなる。

「業界や職種で選ぶ」
伸びる業界・職種を予想することは困難だし,実際に予想は外れている。

 また,避けた方がよい職場環境として,長時間労働,長時間通勤,シフトワーク,ワークライフバランスのない会社,不安定な賃金・勤務スケジュール,サポートのない職場,仕事のコントロール権がない職場,などが挙げられています。
 長時間労働は,健康リスクが高まること,仕事の能率・生産性も落ちること,から私もそのような職場は絶対にオススメできません。
 では,どのような仕事,職場がよいのでしょうか。
 上記本によれば,仕事の自由・裁量がある職場,仕事が前に進んでいると実感できる達成感のある職場,賃金・タスク・ビジョン等が明確な仕事,多様性のある仕事,笑い合えるような仲間のいる職場,他人に貢献できる仕事,などを指標に選ぶのがよいとされています。
 転職などを検討されている方は,どのような観点から仕事選びをすればよいか,という点について,一定の考え方が得られる本だと思いますので,一度読んでみるとよい本だと思います。