残業代を請求すると、会社側が、「当社では変形労働時間制を採用している」と反論してくることがあります。

この「変形労働時間制」とは何でしょうか?また、「変形労働時間制」を採用していると、労働者は残業代が請求できなくなるのでしょうか?

変形労働時間制とは、簡単にいえば、一定の期間を設けて,その期間内の平均労働時間が週40時間以内に収まっていれば、一部の日や週において、法定労働時間(1日8時間以内、週40時間以内)をオーバーしていても残業代は発生しないというものです。

しかし、この変形労働時間制が有効となるためには細かい要件をクリアする必要がありますので、多くの場合、会社が主張する変形労働時間制の主張は無効となります。

また、仮に有効でも、特定の日または週に定められた所定の労働時間をオーバーすれば、残業代は発生しますので、変形労働時間制が有効であれば、残業代は発生しないというわけでもありません。

そのため、変形労働時間制が導入されている(と会社が主張している)会社に勤務される方でも、残業代の請求はもちろん可能です。